前頭葉(ぜんとうよう)は、手足の連動などの体の運動を司ります。
頭頂葉(とうちょうよう)は、感覚情報を分析して空間認識や体全体のバランスを整えます。
後頭葉(こうとうよう)は、視覚、形の認識、言語機能などを司ります。
側頭葉(そくとうよう)は、主に聴覚を司り、言語を理解したりします。
●脳の構造と働き
脳は他の器官の10倍もの大量の酸素を必要とするので、満員の室内や電車では酸欠状態に陥り、息苦しく感じます。また、脳には4本の動脈が流れており、大量の血液を必要とするため脳を活性化させるには、大きく深呼吸することが効果的です。
脳の構造は、大きく分けると大脳と小脳、脳幹から構成されており、大脳を横から見ると、前頭葉・頭頂葉・後頭葉・側頭葉に分かれています。
中でも、前頭葉の大部分は「前頭前野(ぜんとうぜんや)」が占めており、思考・判断・情動・創造性・想像・予想などの高度な頭脳活動を行っています。
●前頭前野の働き
前頭前野には、「思考する・行動を抑制する・コミュニケーション(対話)する・意思を決定する・情動(感情)を制御する・記憶をコントロールする・意識・注意を集中する・注意を分散する・意欲を出す」などの働きがあり、最も人間らしい高度な機能を持っています。前頭前野は“人間の心”そのものといえるでしょう。また、前頭前野が命令を発することで、脳のほかの領域の機能が働くという点で、「脳の司令塔」ともいえます。
<<脳と認知症>>
●「脳血管性認知症」と「老人性認知症」
認知症は、脳の血管が詰まったり破れたりすることによって、その部分の脳の働きが悪くなり発症することがあります。このような認知症を「脳血管性認知症」といいます。
脳血管性認知症は、障害が起きた場所によって、ある能力は低下しているが別の能力は比較的大丈夫という様に、まだら状に低下し、記憶障害がひどくても人格や判断力は保たれていることが多いのが特徴です。
これに対して、加齢にともない脳の働きが衰え、それが重度になった状態が一般的に「ボケ」と呼ばれている「老人性認知症」です。
人間は年をとると物忘れが多くなります。「人の名前が出てこない」、「朝、何を食べたか、忘れた」などです。
これは老化のひとつで、自然なことなので生活上も支障ありません。しかし、老人性認知症が進行すると、体験や出来事のすべての記憶を失っていきます。食事をしたことを忘れたり、家族が誰かが分からなくなったりします。
●認知症は、単なるもの忘れではありません。
「久しぶりに会った人のことが思い出せない…」など、このような経験は誰にでもあります。「もの忘れ」は自然な老化によっておこる「単なる歳のせい」で、誰にでも起こりえます。しかし、認知症は、単なるもの忘れではありません。
老人性認知症の場合、問題となるのがコミュニケーションの障害です。言葉を介したコミュニケーションや表情などの言葉を介さないコミュニケーションがうまくいかなくなり、意思の疎通が困難になります。感情のコントロールが効かず、突然怒りだして周囲の方を困らせたりします。
また、食事や衣服の着替えなど他人の手助けが必要となり、身辺の自立が出来なくなります。
●老人性認知症と前頭前野
コミュニケーション、感情、身辺の自立などは、すべて大脳にある「前頭前野」という領域がコントロールしています。老人性認知症の原因は様々ですが、社会で問題となるその症状のほとんどは、前頭前野の機能に関係しています。
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